こんにちは、さややです。2020年5月1日金曜日23時から放送のBSフジ『フィギュアスケートTV!』では、「町田樹セレクション・全日本選手権スペシャルアワード2019」を本人が映像付きで解説!新しいフィギュアスケートの見方を教えてくれました。
当ブログでは、「町田樹セレクション・全日本選手権スペシャルアワード2019」の内容を、どこよりも詳しくお届けします!
BSフジ『フィギュアスケートTV!』5月の回で放送。町田樹・全日本選手権スペシャルアワード2019
今月の『フィギュアスケートTV!』、放送時間は2020年5月1日(金) 23:00~23:55から。
<出演者>
MC:八木沼純子
大村晟(フジテレビアナウンサー)
<ゲスト>町田樹(まちだたつき)
番組の前半、「もう一度見たい町田樹、全日本選手権」はこちらの記事にまとめました。
町田さんの名演技を本人のコメント付きだったので、見応えありました。
町田樹セレクション「全日本選手権スペシャルアワード2019」とは?
町田さんが「全日本選手権スペシャルアワード2019」に託した思いとは、
「現役時代、たくさんの方に解説していただきましたが、八木沼さんはじめ、私の演技のよさに気づいてくださり、解説を通してエールを送ってくださった。それがどれだけ選手に力を与えてくれたか。選手にとって解説は力になる」
「私も競技成績だけでは伝えきることができないスケーターたちの美質、よさというものを独断で賞をつけてお送りしている。それは選手にはエールになるし、見る人にとってもフィギュアスケートってこんな見方もできるんだ、新しいフィギュアスケートの見方に気づいてくれるきっかけになれば嬉しいと思って取り組んでいるプロジェクトになります」
「今回はテレビで映像とともにお送りできるのが嬉しいです」
カムバック賞 永井優香
この3年間苦しいシーズンが続きましたが、みごとに復活しました。素晴らしいルッツですね。長く険しい道程を耐えたということでみごとなカムバックです。
ユニークムーブメント賞 川畑和愛
おもしろいムーブメントを開発した振付師や選手に贈る賞。
冒頭のリズミカルなダブルアクセルがとてもユニークだということで選んだ。アクセルジャンプはゆったりと入ることが多いがツイズルやホップから入る軽快な入りがユニーク。
バリュアブルジャンプ賞 鈴木潤
引退を控えた最後の全日本選手権で決めたトリプルアクセル+3回転トゥループのコンビネーションジャンプ。価値あるジャンプということ。
相貌の輝き賞 友野一希
相貌には、顔かたちだけではなく内面から溢れ出るムードなども含んでいて、プログラムが終わるまで一瞬も気を緩めることなく表現者であった、素晴らしかった。
スピンマスター賞 井上千尋
スピンが得意と自分で語っていたのを聞いていたが、見てみたら本当に素晴らしいスピンで、自分の長所を知り、それを演技で出せるのがよいです。
ダンサブルステップ賞 樋口新葉
全日本を見ていて鳥肌がたった演技のひとつ。
町田樹セレクション、ダンサブルステップ賞、樋口新葉選手。まっちーのステップ解説に唸る大村アナ#フィギュアスケートTV pic.twitter.com/7taN3HL2H9
— さやや★フィギュアスケートに恋をして (@seno_sena) May 2, 2020
「見せ場のステップ、上半身を激しく動かすと重心が浮いてきてしまうけれども、彼女は重心を低いまま上半身を動かしている。上半身は情動だけども下半身は冷静にステップを踏んでいる。情熱と冷静の兼備が、すごみのある素晴らしいステップであった」ということです。
町田樹が選ぶブレイクスルー賞には鍵山優真・佐藤駿!
2019年の全日本選手権でブレイクスルーを果たした選手といえば、やはりこのふたり。
鍵山優真・佐藤駿のジュニア勢です。
「飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している選手です。シニアのベテラン選手も戦々兢々としているのではないでしょうか」
フィギュアスケートTV!5月放送から。
町田樹が鍵山優真、佐藤駿を語っています。 pic.twitter.com/sXOittobWD— さやや★フィギュアスケートに恋をして (@seno_sena) May 2, 2020
「このふたりは、ジャンプ・スピン・ステップ、どれをとってもオールマイティーです。自分のポテンシャルを最大限に発揮できるプログラム。これが与えられるかいなかにかかっていると思います。コーチ、振付師を含めて周囲のプロデュース能力にかかっていると思います」
八木沼さんから、このシーズンのふたりは良さをいかしたプログラムだったけれど、来シーズン以降、どうやっていけばいいと考えるかと質問。
「その路線を突き詰めていくか、あるいは自分は別の方向性に可能性があるのではないかと考えるのであればその路線に行くか。それは選手本人と振付師やコーチが話し合って進路を決めて行かなければいけませんね。選曲やプログラム選定は非常に大事です」
プロミス賞
ジュニア年齢に該当する今後の活躍が期待できる選手に贈られたプロミス賞。
吉岡詩果(よしおかしいか)浦松千聖(うらまつちさと)はジャンプ・スピン・ステップ、どれもオールマイティ、ピュアな相貌、活気があるのが魅力。ふたりにはその相貌にあったプログラムがいい。
三宅咲綺(みやけさき)のジャンプはクオリティが高くて、私はこの1,2年のうちにトリプルアクセルさえも完成させられるのではないかと期待しているんですよ。
吉岡希(よしおかのぞみ)、若いながら質の高い4回転を飛んでいるので、ジャンプに同じくらいスケーティング技術や踊心がついてくるとトップ選手に肉薄できるのではないかと期待しています。
それぞれに成長が楽しみですね〜〜
ザ・ファイナルコンピレーション賞
この大会で競技を引退する選手のなかでパーフェクト(ノーミス)を達成した選手に贈られた賞です。
磯邉ひな乃選手、自分で選び編曲した曲を思い入れを持った曲をパーフェクトで演じきりました。
渡邉純也選手、彼のスケートは「ジェントル」、そのスケートにあった振付でした。
難曲踏破賞 佐藤光彬
ショスタコーヴィチ5番「革命」、このような壮大な音楽を滑り切ることは本当に大変で、私もベートーヴェンを滑りましたが、壮大な曲は気を抜くと音楽に自分に飲み込まれるんです。常に音楽をリードするという気概がありました
マチュアプログラム賞 羽生結弦・エキシビション
「マチュアとは「成熟」を意味しますが、過去2シーズン競技会に使用していた「SEIMEI」をショーナンバーとして演じました。音楽に没入していましたし、熟練の技が詰まっていて、見ていて感銘を受けました。
彼はともすれば世間が期待する羽生結弦像を自分がどれだけ満たしているか、体現しているかで自分を評価しているんですけれども、これはそうではなく、純粋に「SEIMEI」を踊るということを楽しんでいました。
難しい技は入っていなかったのですが、ジャンプがなくても作品世界を体現できるスケーターなのだと思いました。これは若手スケーターには出せない演技だと思います」
八木沼さんから町田さんへ「羽生選手は自己を確立した選手だと思うんですけど、今後、選曲や振付でこんなふうになったらおもしろいのではないかというものは町田さんとしてありますか?」という問いかけから、興味深い返答が得られました。
「昨年、羽生選手はプログラムをバラード1番、「SEIMEI」へ変更されました。それは身にしみている音楽のテイスト、和のテイストというものが自分にフィットしていると思ったんでしょうね。彼はもうベテランの域に達しているので、自分の得意とする、確立された像を引き上げていくという方向へ邁進していったほうが、私はいいのではないかと思います」
新たな挑戦をするのは悪くはないが、自分を磨き上げていったほうがいいのではないかという発言ですね。
羽生選手がプログラム変更を発表したとき、四大陸選手権でどうだったのか、くわしくはこちらの記事をどうぞ。
町田樹から新型コロナウィルス感染で練習ができていない選手たちへ
リンクが閉鎖になったりしている現状に町田さんは現役選手への配慮をにじませました。
「心身を維持するのが大変でしょうね。1日休んだら取り戻すのに3日、3日休んだら1ヶ月かかるといわれていて、私も競技者のときに1日休むと不安に駆られたものでした」
「一方で、それは思い込みでもあるということをここでお伝えしたいです。というのも私は2014年に競技を引退してプロフェッショナルスケーターに転身したわけですが、大学院生として活動もしていたので、忙しいと1ヶ月間氷に乗れないということがふつうにあるわけです。でも、自分にできること、筋肉を維持する、健康を維持するということを続けていると、氷にのったとき、技術は1,2日で帰ってくるわけですよ。自転車にひさしぶりに乗るという感覚です。だから選手の方々も安心して、今は健康第一ですから、筋肉量を減らさないとか、食事に気をつけるとか。また氷の上で練習ができるようになる日常が訪れるということを虎視眈々と待つということが、いま大事になると思います」
本人が「自分で人体実験したので」とユーモアを交えて言っていましたが、ブランクを超えて復帰してきた高橋大輔(たかはしだいすけ)選手や山田耕新(やまだこうしん)選手が活躍していたことをみてもそうなのかもしれません。
ファンも「練習できていない、大丈夫かしら」と気をもまずにどーんと構えていたいですね!
山田耕新選手の記事はこちら。「就職して2年間練習していなかったけれど、その間に蓄積していた疲労が取れたよう」と語っていたのが印象的でした。
町田樹からファンのみなさんへ
「視聴者のみなさんも「この演技がすき!」ということを独自に評価していく観点を持ったり、ユニークな賞を作ったりSNSで発信されたのは選手に届くかもしれない。それは必ずや選手の力になるはずですので、これをきっかけにいろんな賞を自分で選手にお送りくだされば、こんな嬉しいことはありません」
自分のすきなポイントを着眼点にして、選手の良さを発信していくのっていいですね!
私もフィギュアスケートの楽しさをみなさんに知ってもらえたら、とブログをやっているので、まっちーに励まされた感じがしてうれしいです。
「町田樹セレクション・全日本選手権スペシャルアワード2019」が掲載された『ワールド・フィギュアスケート88号』はこちらです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。