こんにちは、さややです。2020ー21シーズンの世界フィギュアスケート選手権(世界選手権、世界フィギュア)が始まります。
新型コロナ感染症の拡大で、グランプリシリーズも国を超えて選手が集まれなくなり、実質的に、フィギュアスケートの国際大会としては今シーズン初めてとなる大会になりました。
女子では、4回転サルコウとトリプルアクセルを組み込んだ紀平梨花(きひらりか)と、4回転ジャンプを持ったロシア女子との直接対決が見どころですね。
そして、今季調子をあげている坂本花織(さかもとかおり)は、演技の完成度が高く、大技抜きで220点超えてきていて、十分に戦える実力があります。
当ブログでは、世界選手権の女子シングルのみどころ・順位を、日本選手中心に、ポイントを絞ってわかりやすくお届けします!
世界選手権フィギュアスケート2021、女子ショートプログラム滑走順
ショートプログラムの滑走順が発表になりました!
39人が出場するショートプログラム、日本選手は最終グループに演技します。
(34)アレクサンドラ・トルソワ(ロシア)
午後3時18分(日本時間午後11時18分)
(35)アンナ・シェルバコワ(ロシア)
午後3時24分(同午後11時24分)
(36)坂本花織
午後3時30分(同午後11時30分)
(37)宮原知子
午後3時37分(同午後11時37分)
(38)ブレイディー・テネル(米国)
午後3時43分(同午後11時43分)
(39)紀平梨花
午後3時49分(同午後11時49分)
テレビ中継のチャンネル、動画配信サービスの時間はこちらの記事に詳しくまとめました。
みどころ!紀平梨花、4回転サルコウをいよいよ組み込む!
やはり、2020年12月の全日本選手権で、4回転サルコウに成功、トリプルアクセルを組み込んだ紀平梨花(きひらりか)と、4回転ジャンプを持ったロシア女子との直接対決が見どころですね。
いちばんの強敵ロシア女子は、4回転ジャンプを組み込むシェルバコワ、トルソワ。トリプルアクセルを跳ぶベテランのトゥクタミシェワ。
北京オリンピックでの勝利をめざす紀平には、負けられない戦いです。
世界選手権まであと4日⛸
エース紀平梨花選手が幼い頃に思い描いた未来予想図、そのゴールは北京五輪でした🇨🇳🥇
天才ジャンパー🌪シェルバコワ選手やトゥルソワ選手との最終決戦へ!彼女自身もついに習得した4回転ジャンプ✨
今夜0時35分からS-PARKで
女王争いの大事な鍵が明らかに…👸#figureskate pic.twitter.com/SLcjWgeOhp— 【公式】フジテレビスケート (@online_on_ice) March 20, 2021
そして、今季調子をあげている坂本花織(さかもとかおり)は、演技の完成度が高く、大技抜きで229・51点(NHK杯・ISU非公認)を叩き出してきていて、上位で十分に戦える実力があります。
#坂本花織、SP曲かけでノーミス 日本勢先陣で午後11時30分登場https://t.co/j08DkNM2Lr
— Sponichi on Ice (@SponichiF) March 24, 2021
今年に入って1週間に40kmの走り込みを続けて、パワーに磨きをかけてます。
「ロシアの子には負けない」とにっこり。
楽しみです。
宮原知子も2020年の全日本選手権3位、表彰台に返り咲き。
世界選手権まであと5日⛸
2019年、悔しさを味わった坂本花織選手🌷と宮原知子選手🍍
リベンジに燃える今季🔥ガッツポーズ演技👊で全日本表彰台に返り咲きました🌸平昌五輪を知る2人の力は日本女子🇯🇵五輪3枠奪還へ必要不可欠🤝
2人の世界選手権🌏への想いは0時10分からのLiveNewsαで👀#figureskate pic.twitter.com/EkJAN2i9Hf
— 【公式】フジテレビスケート (@online_on_ice) March 19, 2021
期待しましょう!
2019−20シーズンは国際大会の表彰台をそうなめにしたロシア女子。
実は昨シーズンにエテリコーチの元を離れるなど、波乱がありました。
エテリコーチからプルシェンココーチの元へ移籍したトルソワについて、詳しくまとめた記事はこちらです。
ロシア3人娘の強さ、特色をわかりやすく知りたい方はこちらをどうぞ。
コストルナヤは今回、ロシア代表から落選しています。
世界フィギュア2021、女子ショートプログラム結果
ロシアチャンピオンのシェルバコワが、81.00点、すばらしい演技で首位に立ちました。
最終滑走の紀平、トリプルアクセル含めてジャンプはすべて成功、スピン・ステップともレベル4の演技。終わったあと、ガッツポーズ。濱田コーチもランビエールコーチも大喜びでした。79.08点で2位。
トゥクタミシェワがトリプルアクセルを含むジャンプをすべて成功して3位に。
坂本花織は演技前に非常に緊張した様子が見えましたが、スピードのある滑りと大きなジャンプを決めて6位に。
宮原知子は冒頭の3回転ジャンプで転倒、コンビネーションジャンプが3回転+1回転になるなど、実力が出しきれず、16位スタートとなりました。
韓国はエースのユヨンが出場できなくなったところ、キム・イェリムががんばり4位に。
トルソワはジャンプのミスが響いて12位スタートになりました。
1位から3位までが約2点差。フリーで順位が入れ替わることも十分考えられますね。ドキドキの展開です。
世界フィギュア2021、女子フリー滑走順
女子フリーの滑走順が発表になりました。
ショート16位の宮原は第2グループ。坂本と紀平は第4(最終)グループでの演技です。
主な選手の滑走順、予定時間(日本時間)は以下の通り。
〈9〉宮原知子(関大)SP16位、日本時間27日午前3時17分
〈13〉アレクサンドラ・トルソワ(ロシア連盟)SP12位、同4時11分
〈18〉ブレイディ・テネル(米国)SP7位、同4時50分
〈19〉坂本花織(シスメックス)SP6位、同5時6分
〈20〉キム・イェリム(韓国)SP5位、同5時14分
〈21〉カレン・チェン(米国)SP4位、同5時22分
〈22〉エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア連盟)SP3位、同5時半
〈23〉紀平梨花(トヨタ自動車)SP2位、同5時38分
〈24〉アンナ・シェルバコワ(ロシア連盟)SP1位、同5時46分
(日刊スポーツ)
紀平選手は4回転サルコウとトリプルアクセル2本という高難度のプログラムを用意しています。シェルバコワとの対決が楽しみですね!
世界フィギュア2021、女子フリー、日本選手の結果は
ひとことでいうと、(日本選手にとって)大波乱の女子フリーでしたね。
紀平選手はリンクに入るときから顔がこわばってて、いつになく緊張しているように見えました。
冒頭のジャンプが4回転サルコウではなく、2回転アクセルをで入ったとき「あれ?」と不思議に感じました。4回転を回避するとしたら、トリプルアクセルで入ってくるだろうと思ったからです。
そしてトリプルアクセルでまさかの転倒、後半のコンビネーションジャンプをみごと成功させるも、いくつかのミスがでてしまい、126.62点と本来の実力を出せませんでした。
演技後のインタビューで「夜時間帯の試合に身体が合わせられなかった。頭ははっきりしていたのに、脚に力が入らなくて」と語っていましたが、原因はそれだけなのかなぁ、と懸念が残りました。
日本は坂本花織が6位、紀平が7位で北京冬季五輪の出場3枠獲得 pic.twitter.com/gRcD90ZdN2
— Masashi INOUE 井上将志 (@kyodonewsports) March 26, 2021
坂本選手はミスを最小限に抑えて最後までスピードを落とさず、みごとなマトリックスを演じきりました!137.42点はフリーだけの順位は5位、素晴らしかったです。
日本人最高位6位を守りました。
#世界フィギュア 第3日
女子フリー#坂本花織
合計207.80
フリー137.42#WorldFigure #FigureSkating pic.twitter.com/MdNQXD3IyM— Masashi INOUE 井上将志 (@kyodonewsports) March 26, 2021
しっかし、坂本選手のショートプログラムが70点しかでなかったのは納得いかない!ぷんぷん。あのスピードとリンクカバー率で、なんでSS(スケーティングスキル)が8.82なのか!
ジャッキーさん(アメリカの名物記者)がSNSで「坂本の得点にショックを受けている」とツイートしています。
Sorry, I’m still in shock over that score for Sakamoto. The only jump that got called was the lutz (edge), as expected, yet her TES was under 70? And PCS 67.70 (vs 66.34 for Trusova)https://t.co/ytUeGLXcPS #WorldFigure #Stockholm2021
— Jackie Wong (@rockerskating) March 26, 2021
「3回転ルッツにエッジエラーがついただけなのに、なぜ技術点が70点に届かないのか?それに演技構成点もトルソワと比較して(低すぎる)」と。(意訳です)
こう思っている人は多いようで、Twitterでで検索してみると、プロのライターや海外ファンでも同じ懸念を持っている人は多いようですよ。
私も基本的には「専門の資格を持ち、リンクで目の前で見ているジャッジとテクニカルパネルが採点しているんだから、テレビで見ているファンよりもよく見えているはず」と思っているので、採点に異を唱えることはしませんが、今回はいいたい。
採点の仕組みについてまとめた記事はこちらです。参考になれば幸いです。
世界選手権2021の女子フリー、最終結果は?
終わってみると、ロシアが表彰台を独占。
[ #フィギュアスケート 世界選手権・女子フリー]
女子優勝は #アンナ・シェルバコワ 選手(若杉)
Anna Shcherbakova performs during Ladies Free Skating of the World Figure Skating Championships.#AnnaShcherbakova #WorldFigure #Stockholm2021 pic.twitter.com/hmVTUEttdH
— 読売新聞写真部 (@tshashin) March 26, 2021
最終滑走でも揺らがない演技。でも演技がおわったあとで、「苦しかった」という表情をしていて、さすがのシェルさまも、このコロナ厳戒下での世界選手権はしんどかったんだな〜と感じられました。いつも涼しげで妖精の風情のシェルさまが人間に戻った瞬間だった。
トゥクタミシェワは得点がでてメダル確定したあとに涙ぐんでいて、「リーザが泣いている!」とギュンギュン胸に迫りました。演技も素晴らしかった…。
トルソワたんは4回転ルッツ+3回転トゥループのコンビネーションという女子史上最高得点エレメンツを成功。これは男子でもロシアのサマリンくらいしか跳んでいない構成だったはず。そして4回転ジャンプを5本、3回転はループだけという男子のトップレベルのジャンプ構成に挑戦しました。転倒もありましたが、挑戦する姿勢は胸を打ちます。
いま師事しているプルシェンコも4回転にこだわりのある選手だったので、彼女の意思を尊重してくれそう。
[ #フィギュアスケート 世界選手権・女子フリー]
女子2位は #エリザベータ・トゥクタミシェワ 選手、3位は #アレクサンドラ・トルソワ 選手(若杉)
Alexandra Trusova and Elizaveta Tuktamysheva / Ladies Free Skating.. #AlexandraTrusova #Tuktamysheva #WorldFigure #Stockholm2021 pic.twitter.com/M2GaXMzmWz
— 読売新聞写真部 (@tshashin) March 26, 2021
世界フィギュア、トゥクタミシェワの涙に感激
24歳のトゥクタミシェワがメダルが決まったときに涙を浮かべていたのが印象的でした。
リーザは昔から人前では涙を見せたくないと話していたので、どんなに悲しい時も嬉しい時も目をウルウルさせることはあっても泣かなかった。でもFS後順位出た時リーザが泣き出したのを見て、どれだけの思いで頑張って来たのか伝わってきて。これで終わりじゃない。また前を向いて頑張れる涙だったと思う
— ネオ*∵*@3Atano (@3Atano) March 26, 2021
リーザ「素晴らしい気分だった。メダルが取れると思ったから。3位以下には下がらないとわかった。でも試合の前はメダルのことを考えないように頑張った。課題は安定したいい滑りをする事だった。試合結果がめちゃくちゃ嬉しい。」(続)」https://t.co/FwF5NVz6gJ
— FS247ロシア語ニュース情報局@ワールド情報は固定ツイ! (@fs247ru) March 26, 2021
彼女も15歳でシニアデビューして若くして世界女王になったあと、ザギトワら若手の台頭に結果が出ずに苦しんだ一人でした。
しかし、トリプルアクセルを習得してからじりじりと伸ばし、みごと銀メダルを取りました。「女子17歳の壁」を超えてから、「大人のスケーター」として実力を伸ばしてきた好例だと思います。
本当におめでとう!
女子選手を苦しめる「17歳の壁」について、こちらに詳しくまとめました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。