グレイシー・ゴールド選手、現在は?拒食症から全米選手権2020に出場するまでを追う

※本ページはプロモーションが含まれています

新型コロナウイルスの感染拡大で、様々なスポーツが自粛となり、ISUが2020-2021シーズンのGPシリーズの概要を先日発表しました。本来2020年3月に行われるはずであった世界フィギュアが中止となったのも、遠い過去のようについ思ってしまう今日この頃です。これからお伝えするのは、このようなコロナと共に生活することなど考えられもしなかった今年の冬のことです。

ネイサン・チェン選手の全米選手権での様子が気になり、「全米選手権2020」で検索をしていると、グレイシー・ゴールド選手がスタンディングオベーションに答えている動画がありました。「あのグレイシー・ゴールド選手が、ようやく全米選手権に出場できるまでに回復したんだ」と驚きと喜びの入り混じった気持ちで、動画に見入りました。

残念ながら、肝心の演技の動画は米国からのみ視聴できるためみてはいません。そのため、実際にどの程度の回復かは確認できませんでした。

しかしながら、来シーズンには、グランプリシリーズにおいて、彼女の演技を久しぶりに見られるかもしれません。

そんな中、新型コロナウイルスの世界的感染が私たちとスポーツのあり方に大きな変化をもたらしました。世界フィギュア2020が開催中止になり、来月シーズンのグランプリシリーズの開催も不透明なままです。いつ新型コロナの世界的流行が終息し、私たちが日常生活を取り戻せられるのでしょうか。1年延長された東京オリンピックを観戦することができるのか、不安ばかりが募る毎日です。

そんなグレイシーの今最も気になる全米選手権2020での演技内容、その全米選手権にカンバックするまでの足取りなど、グレイシー・ゴールド選手の歩みを見ていきたいと思います。



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”羽生結弦”

グレイシー・ゴールドがグランプリシリーズに復帰、スケートアメリカ出場が発表に

グレイシー・ゴールド選手が復帰!全米選手権2020での演技は?

2018年に復帰したグレイシー・ゴールド選手でしたが、残念ながら2019年の全米選手権を欠場することを自身のSNSで次のように発表しました。

競技スケートに戻って以来、私には一つの真言がありました。

それは『プロセスを信頼すること』。

ときには難しいこともありますが、スケートにカムバックすると決めたことが私が下した最高の決断だったかもしれません。

プロセスを信頼することの大部分は、自身のキャリアの全体像をより多く見ているということです。私の目標は2022年の北京オリンピックです。そういうわけで、2019年の全米チャンピオンシップから撤退することが、私にとって最大の利益になると決心しました。これは非常に難しい決断でしたが、正しいことだと思っています。わたしはすでに来年の準備を始めています。これは私にとってシーズンのスタートを切る絶好の機会です。

私はとてつもなくたくさんの反応や意見をいただいた。今シーズンにサポートしてくださった全ての方々に感謝の意を捧げたいです。心の底からお礼を申し上げます。チャンピオンシップでの皆さんの幸運を祈ります。ではまたすぐに会いましょう」。

そして、翌年の全米選手権のリンクに、彼女は自身の言葉通りに戻ってきました。もちろん、地区大会から勝ち上がり、全米選手権の出場権を手にしました。2020年1月23日にSPが行われ、グレイシー・ゴールド選手は第2グループの3番目、全体では9番目の滑走順でした。

使用曲は、アニー・レノックスによる「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」 (I Put a Spell On You performed by Annie Lennox)。振付はジェレミー・アボットですよ。

冒頭に3回転ルッツ3トーループの連続ジャンプを予定していました。それが、後ろのジャンプが2回転となり、3Lz2Tとなってしまいました。

しかし、ゴールド選手の3Lzが帰ってきたことは、非常にうれしいニュースですね。

まだまだ不安定ではありますが、彼女らしい美しい踏切姿勢は健在のようです。しかも、練習では3回転-3回転で跳べているようですから、かつての安定感を取り戻してくれる日も近いと期待しています。

スピンにおいてはフライキャメルスピン、レイバックスピンでは、レベル4を取っています。とても、嬉しい限りです。単独の3回転ループが1回転となるミスもあり、結果は、技術点:25.59、構成点:28.92で、トータルスコア54.51点での13位でした。

続いて、フリーは第1グループの5番目での演技です。プログラムは「過去の自分がいたから今の自分がある」という曲です。まさに、様々な試練を乗り越え、全米選手権の舞台に立っているグレイシー選手だからこそ演じられるプログラムでしょう。

ジャンプの構成は、3回転ルッツ1オイラー3回転サルコーを予定していましたが、SPと同様に3Lz2Tとなっています。

単独の3回転ループ、 3回転フリップ・2回転トーループの連続ジャンプも跳び、単独の3回転サルコーでジャンプを締めくくっています。

フリーは107.24点での12位。総合得点161.75点で第12位となっています。フィニッシュ後しばらく動きませんでした。FSの演技後のホッとしたような、感極まったような様子に、感動の嵐が吹き荒れ、もらい泣きした人も多くいたはずです。会場の観客がスタンディングオベーションで彼女の復帰に大きな拍手を贈っていました。両手に手をやり、涙ぐみ、必死に笑顔を作り、会場の声援にこたえていました。

そして、合計得点が161.75とわかると、ガッツポーズをみせます。

観客の誰もが彼女のここに至るまでの険しい道のりを知っているのでしょう。誰にでもやりきれる簡単な道ではなかったことももちろんわかっているんでしょう。

演技の内容だけがすべてではないことに、多くの人が感動ともに改めて気づいてもいるでしょう。

もちろん、現在の女子フィギュアスケート界は、もう4回転ジャンプやトリプルアクセルがないと頂点に立てない時代になっています。だからこそ、グレイシー選手は、成長を求めて努力を重ねています。ハーネス(補助器)を使い、4回転トウループに彼女は挑み、取得を目指しているのです。

来年度も彼女は現役を続行することを表明してくれました。とてもうれしく思うファンが世界中にいることでしょう。

彼女に熱いエールを贈り,更なる飛躍のシーズンとなることを祈っています。



グレイシー・ゴールド選手とインスタグラム!!

ゴールド選手は、日本の浅田真央選手、韓国のキム・ヨナ選手のファンであると公言しています。また、幼い頃から米国のミシェル・クワンさんが永遠の憧れであるとも2013年の四大陸選手権後のインタビューにおいて答えています。かつての彼女は、私たちと同じファンであり、スタースターターになるために努力する金の卵だったのでしょうか。

17−18年シーズンからうつ病、不安障害、摂食障害のために戦線を離れるしかなかったゴールド選手。さらに、うつ病からくる自殺願望とも闘うこととなり、もう二度と観衆の拍手を浴びながらリンクで舞うことはないとさえ思われた時期もありました。

自身のインスタグラムでは、リンクを降りた様々な費用上の彼女をみることができます。

全米選手権の出場の資格を満たした試合後には「銅メダル!この秋はとてもホット」と喜びの様子を公開しています。鮮やかな青色の衣装の胸には銅メダルを掲げ、満面の笑顔のゴールド選手がみられます。

そして、全米選手権に3年ぶりの出場を見事にはたし、11位に入りました。2017年から見舞われたうつ病、不安障害、摂食障害、さらに、自殺願望と人生におけるどん底を味わっての出場です。この11位の重みを観客席の誰もが知っています。

ゴールド選手の4歳上で長年に渡りライバル関係にあり、ソチ五輪団体戦ではチームメイトとしてともに銅メダルを手にしたワグナー選手がツイッターを更新しました。

もちろん、試合後にはファンからも続々とメッツセージが更新されました。言葉にはできない全米選手権への復帰に続いて、来シーズンへの期待がふくらむなか、世界中が新型コロナウイルスとの戦いに突入することとなってしまいました。

そんな状況下にあるにもかかわらず、ゴールド選手が来年度も現役続行を発表してくれました。なんという挑戦なのでしょう。日本の高橋大輔選手が現役復活し、全日本選手権で2位入り、翌年も現役を続行した勇気と似ています。

来月シーズンには、自信と幸福感にあふれた彼女の笑顔が、何度となく更新されることを心待ちにしています。



グレイシー・ゴールド選手、全米選手権は2度の優勝!!

ゴールド選手は2012年にジュニアグランプリのタリン杯で優勝、全米選手権のジュニアクラスで優勝します。そして、世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得し、最も才能のあるアメリカの女子スケーターと注目されるようになります。

2013ー2014シーズンの全米選手権で初優勝を飾り、2014年のソチオリンピックに初出場を果たします。そして、堂々総合4位とメダルまであと一歩まで迫りました。2015−2016シーズンには、NHK杯で優勝します。

その勢いのまま再び、全米選手権でタイトルを獲得しています。全米選手権での成績は、2012年2位、2013年1位、2014年2位、2015年1位となっています。

2012−2013年シーズンにシニア参戦したグランプリシリーズでした。2013年には、大阪で開催された四大陸選手権にも出場していました。

アメリカのニューフェイスに魅了され、うなぎ登りの成長に日本の強力なライバルがでてきたとその時、こう思ったには、私だけではなかったはずです。

ソチオリンピック前の2014年に全米世界選手権で初優勝しました。その時の自己ベストのフリーの得点が139.57でした。そして、2年ぶりに2度目の優勝時のフリーの得点が147.96点と、大きく上回っています。そのため、当時も、華麗なる復活と人々に印象付けました。

SPで3回転ルッツが1回転となる大きなミスをしています。結果として、1位のポリーナ・エドモンズに7,69の大差をつけられてしまいました。

フリーは、ローリー・ニコルの振付によるイーゴリ・ストラヴィンスキーの『火の鳥』でした。日本人の安藤美姫さんも2003-2004と2013-2014シーズンのフリーに使用しています。最終滑走者としてFSに挑みました。この演技において、出だしの3回転ルッツ3回転トウループからフィニッシュの3回転サルコーのまで7度全ての3回転ジャンプを一つのマイナス評価もなくきれいにおり、見事な逆転勝ちをしています。

翌年の2016-2017シーズンは、GPシリーズをアメリカ大会2位、フランス大会8位で全米選手権を迎えます。そして、6位となり、初めて表彰台を逃すこととなりました。そして、大会後にフランク・キャロルコーチとの子弟関係が解消されます。そして、2月に、マリナ・ズエワア、オレグ・エスプタインに師事し、ミシガン州カントンで練習するようになります。が、私たちは彼女の演技を観ることがなく、新たな10代のスターがタ現れ、平昌五輪では、またしてもロシアが金メダルをザギトワにより獲得します。また、そのザギトワも4回転を武器に台頭してきた10代に敗れ、引退かと思われています。

そんな中の2017-2018シーズンからゴール選手はうつ病、不安障害、摂食障害のために全ての試合を欠席場し、戦線を離れていました。翌年、GPシリーズのロシアが大会に出場するも、ショートのみに終わり、フリーは棄権し、2018年の春からフランス人のヴァンサン・レステンクールの元で練習を始めていました。この時、彼女はうつ病による自殺願望とも闘っていました。

そして、2019-2020シーズンに地区予選から勝ち上がり、今年の全米選手権に戻ってきました。

グレイシー・ゴールド選手、ソチ五輪4位!

ソチオリンピックの米国の女子の代表枠は、3。ゴールド選手、アシュリー・ワグナー選手、ポリーナ・エドモンズ選手が出場しました。

では、ソチオリンピックでの演技を思い出してみますよ。グレイシー選手は、全米世界選手権のチャンピオンとして、オリンピックに出場しました。既に、団体戦に出場し、銅メダルも手にしています。

ショートプログラムは、エドヴァルド・グリーグ作曲のピアノ協奏曲、振り付けは、ローリー・ニコルです。深みのある赤のコスチュームで、華やかな美しさ際立っています。オリンピックが特別な舞台だと観る者にもはっきりわかる瞬間です。22番スタートでした。冒頭の連続ジャンプでは、ひとつめのルッツで、姿勢を崩してしまい、後ろに3回転トウループを付けたものの、どちらかというと耐えたジャンプとなりました。次の3回転ループは安定した良いジャンプでした。レイバックスピンからビールマンスピン、さらに左回転と右回転をバランス良く組み込まれたターンとステップ。得点に取りこぼしがなく、スピードが最後まで落ちることのない素晴らしい演技です。まさに、アッと言う間に終わってしまった、もっともっと観ていたいと誰もが思った、そんないい出来でした。

まさに、その通りの得点となりました。技術点36.55、構成点32.08トータルで68,63点で、自己ベストに1点弱及ばないものの、オリンピックの舞台で5位といい位置でフリーを迎えることとなりました。

フリーの滑走順は、異様な状況の中での登場となりました。前に滑ったソトニコワ選手へのロシアコールの中での演技となりました。実際、ソトニコワ選手は、金メダルに輝いています。グレイシー選手もサンシャ・コーエン以来のメダルの期待を背にしていました。

曲はバレエ『眠れぬ森の美女』振付が、マリナ・ズエワア、オレグ・エスプタインです。

ブルーの衣装の彼女は、冒頭の3回転連続ルッツ・トウループの連続ジャンプを前日よりも更に高い出来栄え点1.40を獲得しています。続いて、ダブルアクセルに3回転トウループを続けて基礎点7.40に出来栄え点の1.30で8.70と前半はいい滑り出しでした。オリンピックにもかかわらず落ち着いて気持ちをコントロール出来ています。

その後、得点源である単独の3回転フリップ、ルッツでミスが出てしまいました。3回転フリップはエッジエラーをとられています。回転軸が曲がり、尻もちをつき、転倒となります。団体戦でも確かマイナス点でしたね。フリーでも出来栄え点がー2.10となり、とりこぼしてしまいました。気持ちを切り替えて、残りのジャンプは全てきめ、ガッツポーズも飛び出しました。しかし、3回転サルコー・2回転トーループ・2回転トーループの3連続ジャンプにおいても出来栄え点が0.60となり、得点を伸ばせませんでした。それにより、フリーは、技術点69.57、構成点68.33、減点1.00点により136.90点です。ショートとあわせての合計点が205.53となりました。とは言え、初めての200点超えと、自己ベストをまたも更新します。滑り終えた時点で、堂々の3位でした。そして最終順位は216.73点のイタリアのコストナーに及ばず、メダルまであと一歩の4位でした。



フィギュアに希望の夢を託して!

ゴールド選手が、来シーズン、グランプリシリーズに戻ってくれることを願っています。なん000て、今年の全米選手権が終えた時にはエールを送っていました。が、四大陸フィギュアが無事開催されたのが奇跡かと今になって思えてしまうほど、世界が一変してしまいました。

来月シーズンのGPシーズンの開催について、ISUからの発表がありました。日本でもNHK杯が例年のように開催されます。しかしながら、例年と異なり出場できる大会は一大会のみです。しかも自国開催大会もしくは、練習拠点としている国の大会に限定されています。

テニスの全米選手権は行われたら、多くの選手が欠場しますね。長距離移動のリスクが

回避されないからです。ワクチン、治療薬が開発される日が来なければ、選手の練習すらままならないわけですね。

そんなことからグレイシーとジェイソン・ブラウンが司会した「Blades for The Brave」という新型コロナウイルスによる被害者救済のための募金運動が行われました。

世界中が新型コロナウイルス一色となった4月にグレイシーがジェイソン・ブラウンの二人が司会者となり、「Blades for The Brave」という新型コロナウイルスによる被害者救済のための募金運動が行われました。動画配信イベントです。画面を通じて元気いっぱいのグレイシーを見ることができました。彼女のお母さんも参加されていました。

「フィギュアスケートは世界的なスポーツです。私たちは全ての国、州、市を結び付けて、医療従事者、初動対応者および隣人をサポートし、救援活動に貢献します。私たちの生活において、最も重要な戦いのために、世界中の仲間が加わってくれることを誇りに思います」

世界中の多くのフィギュアスケーターが二人の呼びかけに応えてくれました。日本からは、荒川静香、安藤美姫、佐藤由香、村主章枝の4人が参加していました。コロナウイルスの感染拡大の重苦しさを吹き飛ばさんばかりのグレイシーの弾ける笑顔に元気をもらいましたよね。

現在の世界情勢において、来シリーズのグランプリシリーズを含めた競技会の開催条件が非常に厳しい情勢の中、ようやく復帰が見えて来たかに思えるグレイシーは、現在どのようなトレーニングに励んでいるのでしょう。コロナウイルスの感染拡大がある程度収まり、競技会が開催され、グレイシーが氷の上で、華やかに演技する姿を見られることを期待するばかりです。

グレイシー選手のスピードと飛距離のあるジャンプ、艶やかな表現のプログラムを見られることをやはり待ち続けます。



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