こんにちは、さややです。グランプリファイナル2019ですね!NHK杯では圧巻の強さを見せた羽生結弦(はにゅうゆづる)が、宿敵ネイサン・チェンとの勝負に臨みます。羽生は4回転ルッツを組み込んでくるのか?優勝はどちらの手に?
当ブログでは、グランプリファイナル2019の男子シングルのみどころ・結果を、どこよりもわかりやすくお届けします!
グランプリファイナル2019、男子ショートプログラム結果
NHK杯では圧巻の強さを見せた羽生結弦(はにゅうゆづる)が、宿敵ネイサン・チェンとの勝負に強い意気込みで臨みましたが、連続ジャンプを失敗し、ショートプログラム2位発進となりました。
1位 ネイサン・チェン 110.38点(世界最高得点は羽生結弦/スケートカナダの110.51点)
2位 羽生結弦 97.43点
1位とは13点差、ネイサンはミスするということがほとんどないので、自力でこの点差をひっくり返さないといけなくて、なかなか厳しくなってきたな…という印象です。
グランプリファイナルに入る前の報道で、「(トリノ五輪でプルシェンコが優勝した会場で自分も必勝という気持ちでおり)五輪に向かうような気持ちでいる」という、力の入ったコメントばかりが聞こえてきていたので、逆に羽生選手、大丈夫かな?という印象を受けていました。
自分を鼓舞するのはいいのですが、力みすぎなような。そこまで力まないといけないほど、ネイサンを脅威に感じているのだろうか、珍しいな、と。
フリーでは挑戦者の気持ちで納得のいく演技ができるよう、応援しています!
羽生結弦選手は「冒頭の4回転サルコーやトリプルアクセルは悪くはなかったが、そのあとの連続ジャンプで力が入りすぎてしまった。ミスの仕方としてはあまりないパターンだった。しっかり調整できていたが、本番に出し切れなかった。情けないなと思うが、仕方がない」と言葉少なに振り返りました。
(NHK 2019年12月6日 8時38分)
羽生結弦、ショートプログラムのプロトコル(得点詳細)
冒頭の4回転サルコーは高いジャンプはとびきりの美しさで成功。GOE(出来栄え点)が4.16とか、見たことのないような高さで仰天。
ツイズルから入ったトリプルアクセルは降りたあともツイズルにつながっている、すばらしいでき。羽生選手のツイズルは昔からきれいで大好きです。
3本目の4回転+3回転の連続トーループが、最初のジャンプでの着氷が乱れてしまい、コンビネーションにできなかったのですね。
解説の織田さんから「身体の軸が左に傾いてしまったので、流れてしまった。着氷が乱れてしまいましたね」とコメント。
4回転トーループは羽生選手が得意にしているジャンプなので、驚きました。本人も「こういうミスはあまりやらない」と語っていますね。
ショートプログラムでは、コンビネーションジャンプをかならず入れる必要があるので、大きく減点されてしまいました。決まっていたらと考えると10点近くのマイナス。
97.43点です。
羽生、4回転アクセルをフリーの公式練習でトライ!
12月6日の「報道ステーション」で、羽生選手のフリーにむけた曲かけ練習のようすが放映されました。
その内容が驚きです!
4回転はルッツ、ループ、後半に4回転トーループ+3回転トーループ、4回転サルコウを入れるという、予定構成から大きく変更したジャンプ構成で練習していたのです!
さらに、トリプルアクセル+トリプルアクセルのコンビネーションジャンプという前人未踏のコンビネーションも!
そしてそして、転倒しながらも4回転アクセルを3度も飛んでいました!!
「ぜったいに勝つ、勝つためにやることをする」という羽生選手の壮絶な意気込みを感じました。このメンタルのハンパない強さこそが羽生選手の強さなんですよね。
シーズン初戦の「オータム・クラシック」のときも練習で4回転アクセルを入れたがっていたのですが、ジスランコーチに止められていたのですよね。
公式練習後の報道陣へのコメントです。
クワッド(4回転)アクセルについては「ただ練習していただけです」。フリー4回転5本構成については「そのつもりでやります」と答えた。
(スポニチアネックス)
おおきなケガにつながるリスクのある4回転アクセルを、「ただ練習していた」わけはないですよね。
本心を明かさない、この口ぶりは、フリーに入れてくるつもりなんだろうなと感じました。
ひさしぶりに羽生選手が「阿修羅」になるのかもしれませんね。
追い込まれて追い込まれて、見ているこちらが「もうやめてほしい」とすら思うときにでも、羽生選手はぜったいに自分に負けない。
2011-12シーズンの「ロミオとジュリエット」のときのように。
千年に一度の天災にみまわれて、シニアに上がったばかりの彼は練習していたリンクが使えなくなり、全国をショーで回りながら、その合間に練習。
その厳しい環境の中で、初出場した世界選手権で演じた「ロミオとジュリエット」。
ラストのステップの咆哮は「自分はこの運命に負けないのだ」という叫びに思えていました。
阿修羅のように壮絶に強くて、美しい。
明日のフリーが怖いくらいです。(どうぞステイヘルシー)
ちなみに、ネイサン・チェンは4回転アクセルについてどう考えているかというと、「理論上、不可能だと思うよ」とこの夏の対談で語っていました。
羽生、コーチ不在はなぜ?
滑走前もキス&クライもひとりでいた羽生選手、なぜ?と思った方も多いでしょう。
今回のグランプリファイナルでは、コーチのIDは1選手につき1枚の発行なので、オーサー・コーチではなく、ブリアン・コーチが同行する予定だったとのことでした。
同行する予定だったブリアン・コーチに「ちょっとトラブルがあって来るのが遅れている」と羽生選手は説明しているそうです。
※7日になって、コーチが経由地でパスポートの盗難に遭い、カナダに戻り再取得していたことが報じられました。なんという災難!ブリアン・コーチはトリノ入りして、当日の公式練習に同行しています。
本人はコーチ不在を失敗の原因ではないとしています。
「ジスラン(コーチ)は今日は来られなかったんですけど、ブライアン(コーチ)もトレーシー(コーチ)も含めて、すごく支えてくれていたと思うので、遠くから。自分の中ではそれが(失敗の)原因ではない。ほんと、情けないなって思ってます」と羽生。不在の影響については「特に何も」と否定し「自分はしっかり分析できていると思っているし、それが原因でミスしたとは全く思えない」と語った。
(デイリー 12月6日)
見守るファンは、コーチ不在の影響を感じつつも、それを口にしない羽生選手をたたえ、応援しています。
コーチ陣も結局間に合わなかったんだ。ルーティンある選手だから不安はないが、結構大きな声でいつもコーチたちと話して調整してたからな。
キスクラ見ていて胸がキュンとしたけど…羽生さんは自己管理力もあるし、自立できる立派な大人だし問題ないとは思うけど、 やはり…演技前に送り出してくれたり 演技後温かく迎えてギュット抱きしめてくれるコーチの存在って特にこんな時は必要で大事なんだなって改めて感じたよ。
コーチ不在を言い訳にしない、多選手に敬意を払うことを忘れない羽生さんを尊敬します。
ネイサン・チェン、ショートプログラムのプロトコル(得点詳細)
冒頭の4回転ルッツがすばらしかったですね。GOE(出来栄え点)が4.44!?見たことのないような点数でびっくり。
トリプルアクセル、4回転+3回転の連続トーループもきれいに決めて、ノーミスのクリーンな演技でした。このところのネイサンの演技、安定感がすごいですね。
110.38点。
(報道ステーションでは「今季世界最高得点」とテロップ出ましたが、これはミスですね?
羽生選手がスケートカナダで110.53点を出しているので、ネイサンはこれを超えていないのです)
グランプリファイナル2019、男子フリー結果
すごい戦いでしたね…見終わって虚脱状態です…
ネイサン・チェン、羽生結弦とも、ジャンプの構成を変えて、過去最高の構成にして臨んだフリースケーティング。
ネイサンがすべてのジャンプにGOE(出来栄え点)をつける完成度の高い演技で世界最高得点を更新、優勝しました!
335・30点は、羽生本人もインタビューで語っていましたが、2018年のルール改正以前の羽生選手の得点も上回っていて、完全優勝といえると思います。(ルール改正前、フリーは4分30秒で、ジャンプの本数も1本多かった。現在は1本分点数が少ない状態からスタート)
ネイサン、すごい。余裕すらあって、強い。
羽生選手は2年ぶりに4回転ルッツを試合で決めて、それもとてもクリーンでした。気迫のこもった演技でした。
300点にわずかにとどかない291.43点で2位となりました。
羽生結弦、フリーのプロトコル(得点詳細)
4回転ループ、ルッツ、後半に4回転サルコウ、4回転+オイラー+3回転フリップ、4回転+3回転のコンビネーションという過去最高にハードな構成にしてきました。
ループ、ルッツには高いGEOがつく美しいジャンプでした!
気迫のこもった、ゾーンに入ってしまっている目つきですね、これは。
後半は疲れがでてしまったのか、4回転+3回転が、4回転+2回転のコンビネーションになり、トリプルアクセル+トリプルアクセルのコンビネーションはシングルアクセルになってしまいました。
演技後はしばらく立ち上がれないほど、消耗していた羽生選手。
しばらく苦しそうにおおきく息をしていました。
それでも、キス&クライではこの笑顔。やりきった…という表情に見えます。よかったです(涙)
#フィギュアスケート グランプリファイナル。ジスランコーチと一緒に会場入りする #羽生結弦 です。公式練習の後、日本時間午後9時から男子FSが行われます。羽生は5番目、午後9時半過ぎに登場する予定です。
写真特集こちらに順次追加します→https://t.co/UjVHbKGXyQ#GPF2019 #GPF #GPFigure pic.twitter.com/yDlFMuSfee
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) December 7, 2019
プログラム構成の予定
4Lo 4S 3Lz 4T /4T1Eu3F 3A3T 3A2T
予定では冒頭の4回転はループ。4回転の3連続ジャンプ(4T1Eu3F)はネイサンも入れてきていますが、羽生は後半の基礎点1.1倍になるところで入れてます。
フリーでここ2年、演技構成に組み込んでいない難度の高い4回転ルッツに挑むかどうかについて「調子次第だが、入れたいとは思う。自分が何をできるかしっかり考えないといけない。フリーに向けて1分1秒をしっかり過ごしたい」と話していました。
(NHK 2019年12月6日 8時38分)
ネイサン・チェン、世界最高得点フリーのプロトコル(得点詳細)
ネイサンは完璧としかいえない、ノーミスの、すべてに高いGEOがつくすばらしい演技でした!
このスコア表をみてください!
GOEの欄、4回転ジャンプに5点、4点、4点、3点ととても高い加点がついています!凄まじいです。
これだけむずかしい構成でありながらも、最後のステップ(シークエンス)では余裕すらあって、もう憎らしい(笑)くらいです。
羽生結弦2位、優勝はネーサン・チェン GPファイナルhttps://t.co/mz7HKpXWJv
米国の ネーサン・チェン 選手は世界最高得点で3連覇です。(中)#GPFigure #Torino2019 #asahifigure #ネイサン・チェン pic.twitter.com/zl6FXHruaa
— 朝日新聞 映像報道部 (@asahi_photo) December 7, 2019
プログラム構成の予定
4F3T 3Lz 4T1Eu3F 3A/4S 4T 3A2T
4回転ルッツはショートプログラムで飛んでフリーに入れていませんね。その代わり冒頭はフリップのコンビネーション(連続)ジャンプにしています。
余談ですが、こうして、羽生、ネイサンの構成を見ていると、4回転ルッツって、ホントに難しいんだなと思いますよ〜
それ(4回転ルッツ)を2本(1本はコンビネーション)いれているロシア女子のシェルバコワがすごいというかなんというか。超人的だなと。
グランプリファイナル2019、放送予定
テレビ朝日
12月6日(金) よる8時〜 男子ショート(録画)
12月7日(土) よる7時54分〜 女子ショート・男子フリー(男子フリーライブ中継)
12月8日(日) よる9時〜 女子フリー・エキシビション(録画)
男子フリーは日本時間よる9時からなので、なんとかライブ中継で見られますね。よかった!羽生選手の演技がどうだったのか、とっても気になりますよね!
BS朝日
12月8日(日)ごご1:00~ 女子ショート、男子ショート ほか
12月9日(月)ひる12:00~ 女子フリー、男子フリー ほか
12月9日(月)よる9:00~ エキシビション
BSが録画放送で数日遅れで放送するという編成、テレ朝は謎すぎる。
真夜中や早朝に試合があって、視聴率が望めない時間帯だからこそライブで放送してくれたら、フィギュアスケートファンがかならず見るのに…
フィギュアスケート中継という、ドル箱コンテンツの使い方をまちがってないですか?
グランプリファイナルが数日遅れの録画で放送とか、他局ならありえない番組編成ですわ…グランプリシリーズの放送権を手放してくれないかなあ…ライブで見たいわ〜
今年のグランプリファイナル、羽生結弦とネイサン・チェンの激突ということで、歴史に残りそうな大会になりましたね!
見ごたえがありすぎて、ふらふらです。選手のみなさん、お疲れさまでした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!