こんにちは!もりしたと申します!
この記事では、2019-20年シーズンのグランプリファイナルの勝者、ロシアの新星アリーナ・コストルナヤ選手について取り上げています。今シーズン前半の活躍、また、ジュニア時代の戦績や、プロフィールについてまとめてみました。
「コストルナヤ美」、意味は?
みなさんは、アリーナ・コストルナヤ選手をご存知でしょうか。
アリーナ・コストルナヤ選手は、ロシア出身の女子シングルのフィギュアスケート選手です。年齢は16歳、今年からシニアに参戦した若い選手です。
しかし、平昌五輪銀メダリストであるザギトワ選手や、数ある有力選手を抑え、2019‐20シーズン前半の山場であるグランプリファイナルを制したのは、このコストルナヤ選手でした。現在の女子シングルにおいて、世界最高峰の選手の1人といえるでしょう。
そんなコストルナヤ選手の最大の魅力は、なんといっても見るものを圧倒する美しい演技にあると思います。
ひとつひとつの技の完成度が極めて高く美しいことに加えて、シニア一年目の選手とは思えない素晴らしい表現力を持った選手です。
そのようなところから日本のファンがつけた愛称が、「コストルナヤ美」というものです。
演技のみでなく、本人がとても美人であることも由来のひとつのようです。
演技中のどの場面を切り取っても、技も本人もとても美しいので、もし私がカメラマンなら、さぞ写真の撮り甲斐のある選手だろうなと思います。
コストルナヤ、3A(トリプルアクセル)、4回転、ロシアナショナルでは?
コストルナヤ選手はジュニア時代から高い完成度の演技をする選手です。
同じシニア一年目であるトゥルソワ選手やシェルバコワ選手らが、昨シーズンから今シーズンにかけて4回転ジャンプを取り入れ始めましたが、コストルナヤ選手は昨年度まで、3回転と2回転アクセルを中心に演技をしていました。
フィギュアスケートの採点では、一つひとつの技とその完成度を採点する技術点に、演技自体を採点する演技構成点を加えたものを全体の得点とします。難しい技を完璧に美しく決めれば決めるほど得点は伸びていきます。
4回転ジャンプを飛ばないコストルナヤ選手は技の基礎点では同年代の2人に劣りますが、その分を技の完成度と全体の演技構成点で補い高得点を叩き出すのが彼女の戦い方でした。
そんなコストルナヤ選手が、今シーズンから3A(トリプルアクセル)を本番の演技に組み込んできました。
3Aは、3回転の中では最も難易度が高く、採点において最も高い基礎点を稼げる技です。世界でも数人のトップアスリートしか飛ばない難しいジャンプでもあります。
コストルナヤ選手が3Aを練習していることはファンの間では有名な話でした。2018年3月23日に本人のInstagramに3Aを成功させている動画が上げられています。投稿は一年以上前のものですが、この時点から、難しい入り方からの3Aを練習していたことが伺えます。
満を辞して今シーズンより投入された3A、このジャンプを組み込んだ構成で、コストルナヤ選手はショートプログラム、また合計点において、世界最高得点を叩き出します。今シーズンのグランプリファイナルでの記録です。
前述の通り4回転を飛ぶ他のロシア女子選手と比べたときに、4回転を飛ばないコストルナヤ選手は技の基礎点という点で彼女たちに劣ります。しかし、4回転ほどではないものの、基礎点の高い3Aを取り入れることでその差を縮めることができます。今シーズンのグランプリファイナルは、文字通り手に汗握る接戦でした。
グランプリファイナルのショートプログラムで世界最高得点を叩き出したコストルナヤ選手は、そのままフリースケートでもシェルバコワ選手に続く2位につけ、ショートプログラムの得点で逃げ切る形でグランプリファイナル優勝を決めました。
続くロシアナショナル、コストルナヤ選手はショートプログラムで高得点を叩き出し、一位となります。しかしその後のフリーでは残念ながら同門のシェルバコワ選手に逆転を許し、合計点で2位となりました。
ロシアナショナル後、4回転を飛ぶシェルバコワ選手に僅差で敗れたコストルナヤ選手に対して、4回転を習得すべきとの声もあったようです。
しかしながら、今のところコストルナヤ選手が4回転を入れる、あるいは練習しているという情報は見当たらないようです。3Aの練習風景を実践投入の一年以上前にInstagramで公表していたことを考えると、少なくとも近い将来4回転を組み込んでくることはないのではないかと思います。
ザギトワ選手と同じエテリコーチに師事
さて、そんなコストルナヤ選手が所属しているのは、ロシアの名門、サンボ70クリスタルというクラブです。ザギトワ選手と同じエテリコーチに師事しています。
(写真右がエテリコーチ)
サンボ70はロシアのトップアスリート養成学校です。フィギュアスケートのみでなく、さまざまな競技のトップアスリートたちがここに所属しています。
中でも、サンボ70クリスタルはフィギュアスケートの名門です。
ソチ五輪団体金の立役者であるユリア・リプニツカヤ選手や、平昌五輪金のアリーナ・ザギトワ選手、銀のエフゲニア・メドベデワ選手などの有名選手を数多く輩出しています。
トゥルソワ選手とシェルバコワ選手もここの所属です。現在世界最高峰のクラブの一つであるといえるでしょう。
コストルナヤ選手はジュニア2年目のシーズンに、サンボ70チャイコフスカヤから、現在のサンボ70クリスタルに移籍してきました。以来世界のトップクラスの選手として戦っています。
同門のシェルバコワ選手やトゥルソワ選手共々、ジュニア時代から圧倒的な強さで有名でしたが、その強さをそのままに、今シーズン女子シニアのタイトルを総なめにしていきました。
コストルナヤ選手のシニアとジュニア時代試合結果は?
さて、そうなるとジュニア時代の戦績も気になるところですよね。
以下が、コストルナヤ選手の過去3シーズンの主な戦績です。
Jr.1年目 2016-17
露Jr.選手権16位
Jr.2年目 2017-18
Jr.GPF銀(金 トゥルソワ、銅 タラカノワ)
露ナショナル銅(金 ザギトワ、銀 ソツコワ)
世界ジュニア銀(金 トゥルソワ、銅 山下)
Jr.3年目 2018ー19
ジュニアグランプリファイナル金(銀 トゥルソワ、銅 カニシェワ)
露ナショナル銅(金 シェルバコワ、銀 トゥルソワ)
※世界ジュニアは足の炎症のため棄権
シニア1年目 2019-20
グランプリファイナル金(銀 シェルバコワ、銅 トゥルソワ)
露ナショナル銀(金 シェルバコワ、銅 トゥルソワ)
直近の主要タイトルをサンボ70クリスタルの新星三人がさらっていることがよくわかります。
一年目の若い選手がその年の主要タイトルをもっていくことは女子シニアによく見られる光景ですが、今シーズンはそんな強い選手が三人同時に現れ接戦を繰り広げました。とても興味深く、楽しいシーズンだと思います。
日本のファンの間ではこの三人をまとめて「トゥルシェルコス」や「トシコ」などと呼び親しんでいる方もいるようです。
ミーシン門下時代のヤグディンとプルシェンコの確執は有名な話です。同様に同じクラブ内に世界トップクラスの選手が何人もいて大丈夫なのかと心配にもなります。
しかしテレビや雑誌などのインタビューや、本人たちのInstagramを見る限り、いいライバルとして切磋琢磨しているようです。
個人的には、試合後に三人がじゃれ合っている様子などが年相応で大変可愛らしいので、毎回微笑ましく思いながら見ています。
彼女たちが今シーズンの締めくくりである世界選手権でどのような勝負を見せてくれるのか、今からとても楽しみですね。
コストルナヤ選手の年齢、身長、体重、プロフィールは?
最後に簡単にコストルナヤ選手のプロフィールをまとめますと、以下のようになります。
冒頭にも述べましたが、コストルナヤ選手は、2003年8月24日生まれの16歳です(2020年1月現在)。
身長151cmという説がありますが、いつの発言を元にしたものかわかりませんでした。グランプリファイナル時の他の選手と並んだ姿を見る限り、それほど身長が伸びているようには見えません。体重は正確な情報がありませんでした。年齢の割に小柄であることは間違いないです。
全体的に色素が薄いので、儚い印象をうける外見をしていますが、試合後に同年代の選手とじゃれあっている姿を見る限り、元気いっぱいの女の子のようです。趣味は乗馬と公言しており、本人のInstagramでは馬と触れ合っている姿を拝めます。
以上、アリーナ・コストルナヤ選手についてまとめてみました。今シーズンもまだ前半戦が終わった段階ですから、後半戦の動向はわかりません。シリーズ前半同様の素晴らしい演技を楽しみに、今シーズンのコストルナヤ選手を見届けたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。