ステファン・ランビエールといえば、現役時代から芸術性の高い演技と整った容姿で常に観客からの視線を集め、トリノ五輪では銀メダルを獲得した経験を持つ実力者です。
振付やコーチとして若手選手の育成にも力を入れるなど、活躍の場を広げています。
2019年終わりから宇野昌磨(うのしょうま)のコーチになったことでも注目を集めました。
2010年のバンクーバー五輪で2大会連続表彰台を目指し、ショートプログラム、フリープログラムを通して自己ベストを更新するも、結果は3位に0.51及ばず4位となり引退を決意します。引退後はプロスケーターに転向し、数多くのアイスショーに出演しています。
現役を引退して10年が経った今でも人々の関心を集めるランビエール氏の魅力とはどこにあるのでしょうか。
紀平(木平)梨花、2020年はランビエールコーチに師事
2020年全日本選手権、紀平梨花選手のリンクサイドには濱田美栄(はまだみえ)コーチと並んで、ランビエールの姿がありました!
(姓は木平ではなく、紀平です)
秋から紀平選手がスイスへ拠点を移しました。
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グランプリシリーズ楽しみです✨#figure #宇野昌磨 #フィギュアスケート #ステファンランビエル
— スポーツニッポン新聞社 (@sponichiannex) October 7, 2020
2020シーズンのフリーの振付がランビエールになっていたのはそういう理由もあったのですね〜と納得。
拠点の名前から、ランビエールコーチの師弟は”チーム・シャンペリー”と呼ばれていますが、Instagramにもさっそく写真が。
左から)島田高志郎(しまだこうしろう)、宇野昌磨(うのしょうま)、紀平梨花(きひらりか)、女子選手(いま名前がわからない、ごめんなさい)、デニス・ヴァシリエフス
若手選手が中心だったランビエールのチームですが、宇野・紀平と日本からトップ選手が移籍してきたのが感慨深いです。
ランビエールと宇野昌磨は過去にアイスショーでコラボも
ランビエールといえば、今年の1月に宇野昌磨のコーチとして就任したばかりです。
宇野選手は2019-2020シーズンには、コーチ不在という状況で試合を続けており、不調さが目立っていました。
平昌五輪では銀メダルを獲得し、多くの国際大会で良い成績を残している宇野選手ですが、2019-2020シーズンはなかなか思うような演技ができず、得意なジャンプでもミスが続いていた印象でした。しかし、ランビエールから指導を受けるとみるみるうちに調子を取り戻し、全日本選手権四連覇も達成しました。
宇野選手の復調の様子、ランビエールコーチとの絆についてまとめた記事はこちらです。
一緒にどうぞ。
ランビエールの弟子にはデニス・ヴァシリエフス、島田高志郎など注目の若手が!
また、ランビエールは宇野選手の他にも島田高志郎選手のコーチでもあります。島田選手はまだシニアに上がって間もなく、経験が少ない選手ですが、ジュニアのグランプリファイナルで銅メダルを獲得する実力者です。
2017年からランビエールのもとで練習し、4回転ジャンプも習得しました。これから日本の男子フィギュア界を背負っていく選手の1人になるでしょう。
さらに彼の一番弟子で最も長く共に戦ってきた選手は、ラトビアのデニス・ヴァシリエフスです。ランビエール譲りのスピンの美しさと音楽にマッチした振付が魅力の選手で、容姿端麗なところも受け継いでいます。彼もまだまだ若いので、伸び代が十分にあり将来が楽しみです。ランビエールはコーチとしての指導はまだまだ経験が浅いですが、弟子達は確実に成長しており彼の魅力を受け継いでいくのは嬉しいです。
ランビエールの猫?とたわむれる宇野昌磨が話題
ちょっと前ですが、宇野選手の弟、宇野樹(うのいつき)くんのTwitterで、猫とたわむれる宇野選手のが動画が公開されました。
猫をじゃらしている宇野選手がめっちゃかわいいですね!
こんばんは、樹です
猫アレルギーですが我慢出来なかったようです!
昌磨は、もうすぐ、帰って来るらしい‼️ pic.twitter.com/r2UVijljlu— 自由人 (@jumokuno0108) March 15, 2020
ランビエールのインスタグラム、人気の秘密
ランビエールは綺麗な顔立ちから現役時代の人気が高かったですが、今でもイケメンさは健在でありインスタグラムのフォロワー数は2020年5月の時点で10.3万人もいます。そんな彼のインスタグラムからは、家族と写った姿や日常生活での自然な姿から、スケートをしている時とは異なるお茶目で親しみやすい一面を見ることができます。
また、ランビエールに指導を仰ぐデニス・ヴァシリエフス選手や島田高志郎選手、宇野昌磨選手と親しげに写った写真もアップされています。
他にも、現役時代に共に戦った高橋大輔さんや女子シングルで活躍している宮原知子選手などの日本人スケーターをはじめとする世界中の幅広い世代のスケーターとの写真から人脈の広さがわかります。ファンだけでなく、身近な人たちのも好かれる人の良さがあるのでしょう。
さらにどの写真もおしゃれなファッションやポージング、フィルターにこだわりが感じられます。現役時代の芸術的で感性の鋭い部分は、インスタグラムのセンスにも表れているようです。
ランビエールの衣装、トリノ五輪・伝説のシマウマ
現役時代のランビエールは華やかな衣装が印象的ですが、中でもトリノ五輪で着用していたシマウマ柄の衣装は記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
上半身の前面にはゼブラ柄、背面にはオレンジと黒のゼブラ柄、袖には鮮やかな青と、なかなかインパクトがあるデザインでした。実はあのシマウマの衣装のデザインはランビエール自身が考案したもので、フリースケーティングで使用された曲である、ヴィヴァルディの“四季”を初めて聴いたときに浮かんだアイデアだそうです。
ヴィヴァルディの“四季”は穏やかで静かな曲調であるのに対して衣装の派手さが目立っていました。フィギュアスケートにおいて衣装は、採点に直接反映されるものではないが、間接的には重要な役割を担っています。例えば、心に響く演技を観たときに、共に記憶に残るものです。また、その演技に合った衣装であればあるほど、表現したい世界観に観客やジャッジを引き込むこともできます。
そう考えると、私を含め多くの人々の間でトリノ五輪のランビエールのフリープログラムが記憶に残っているのは、演技の素晴らしさと衣装のインパクトの両方があったからこそでしょう。
ランビエールといえば“ポエタ”、その中に秘められた想いとは
現役時代のランビエールは、芸術性の高い観る人を惹きつける演技と美しい容姿が人気の選手でした。特に、彼の代名詞でもあった高速スピンは“世界一”とも言われ、軸がスッと通ったようなブレが全くない見事なスピンでした。
そんなランビエールは人々に多くの感動を与えてきたが、その中でも我々日本人にとって“ポエタ”は、日本に彼のファンが多い理由の一つでもあります。冒頭で述べた通り、トリノ五輪で銀メダルを獲得した後、世界選手権を二連覇したことにより、フィギュアスケートへのモチベーションをなくしてしまいました。しかし、翌年の世界選手権の開催地が東京ということもあり、大好きな日本のファンのためにもう一度スケートをすると決め、選んだ曲こそ“ポエタ”です。
ショートプログラムでミスが重なり7位と出遅れますが、フリープログラムの“ポエタ”で巻き返し、3位となります。このときの演技は気持ちが前面に出た迫真の滑りで、もともと持つ情熱的なステップにフラメンコの曲調が合って、彼の魅力が詰まったプログラムでした。
(鳥肌が立ちますね〜!冒頭の手の動きだけで引き込まれます)
また、演技後の晴れやかな表情も印象的でした。その時の演技はYouTubeでの再生回数は15万回と、我々にとって大きな感動を与えたプログラムであったことがわかります。さらに彼はその翌年のフリープログラムにも引き続き“ポエタ”を採用しました。このことから、ランビエール自身にとっても思い出深いプログラムであったのでしょう。
ランビエールが拠点をおくスイスに宇野選手が加わり、”チーム・シャンペリー”からさらに目が離せませんね!宇野選手が2019シーズン、コーチ不在の状況でいたことを解説した記事はこちら!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。